一本の細い糸があるとします。
その糸を捻ります。
どんどん捻ります。
まだまだ捻ります。
すると
糸が元に戻ろうとする力が働いて、
捻った糸同士がまた捻れます。
そうです。中尾彬氏の
ねじねじマフラーと同じ原理です。
それをひたすら続けると
お洒落なファンシーヤーン糸が
出来上がります。
私だったら、この時点で既に
50回は寝落ちしている所です。
そして それを今度は織ります。
織って織物にします。
当然ですが、糸は太い方が
早く織り上ります。
捻っても細い糸はやっぱり細いので、
形になるのは時間が掛かります。
恐らく更に100回は寝落ちするものと
思われます。
こうして出来上がったマフラーは、
織の隙間からツンツンと飛び出した
捻れた糸が光を乱反射して、
まるでそれを意図して作ったかのような
絶妙な光沢を放つ作品になります。
このたった100㎝そこそこのマフラーの
繊維の隙間にどれだけの
根気と集中力が織り込まれているか。
違う時間軸で生きる人々の作り出す
作品を見る度に、
物を作る人間の端くれとして
ため息が出ます。
そんな風にして出来上がった
さをり織も使ってドレスを
お仕立てさせて頂きました。
はてさて、
どの部分に使われているのか?
全貌は是非 会場で。
『ツナグ vol.7』
■10月31日(日) 10:00〜18:00
■JRおおいたシティタイムズスクエア
(入場無料)